小林義雄 1951. 菌誌(1) 新に日本にて發見せられたマッソスポラ属について. 植研雑, 26(4): 117-119.

奥さん。
今年、2004年はワシントンの十七年ゼミ Magicicada(Tibicina) septendecim のアタリ年だったそうですよ奥さん。

北米特産といわれるこの十七年ゼミは、十七年周期で大発生して十七年生きますよ。
食用だそうですよ奥さん。
十七年に一度のごちそうだったりするのかもしれませんよ。

十七年ゼミは人や鳥だけでなく、菌の餌食にもなるそうですよ。
それが十七年蝉カビ Massospora cicadina Peck。

本報では、この菌が1946年、都下公園内のニイニイゼミから発見されたこと*1が述べられていますよ。
興味をひくのはこの菌に寄生されたセミの末路についての記述。

本種の休眠胞子時代には,蝉の下腹部の關節間の膜を破壊し,主として後端から4-5關節の部分に休眠胞子が密に集まつているが......(中略)......結局宿主の體の後端から腹腔を通り,頭部にまで一本の連つた管が出來て,下腹部の關節を次第に落しながら暫らくの間はいまわり或は飛びまわる。

ことしのワシントンでは、たくさんの下腹部の関節が散らばったに違いありませんよ奥さん。
セミの内容物とカンチガイして休眠胞子塊を食べちゃった人もいるかもしれませんよ奥さん。

ともかく、おなかが無いセミをみかけたら、ぜひおしえてください!
もしくは送ってやってください!

採録は1種ですよ。

Massospora cicadina Peck

*1:1997年、日本産マッソスポラが51年ぶりに発見されたようですよ。ホストは、オガサワラゼミ。http://odokon.ac.affrc.go.jp/journal-e/E34-3j.html