ファーブル先生の観察

一方、ファーブル先生はキノコにたかるウジの観察をしていましたよ。
そこでAmanita属菌が彼らに嫌われていることを発見しますよ。
しかしここでは、毒菌だけでなく、食菌のセイヨウタマゴタケも嫌がっていることも指摘しますよ。
一筋縄にはいきません。

要するに人間にはうまかろうが猛毒だろうが、蛆はアマニト類なんかお断りと来る。ただこうらなめくじだけが時たまそれをかじる。何でそれを断るのか、その原因は我々には解らない。例えばてんぐたけには幼虫に致命的なアルカロイド*1があるから、と言ってみたところで始まらない。そんなら、毒は何もないたまごたけ*2が、有毒な奴同様、全く嫌われているのはどうだ。と訊ねたくなる。それでは、味がなく、食欲を刺激する調味が欠けているためだろうか。生のまま噛んだのでは、アマニト類には味覚をそそる何もないのは本当だ。


『完訳 ファーブル昆虫記(十)』 山田吉彦林達夫 訳 p.329

セイヨウタマゴタケの、ハエへの対抗手段はなんなのでしょう?

興味はつきません。

*1:18世紀半ばから知られていたムスカリンを指しているとおもわれますよ

*2:セイヨウタマゴタケ