Sanshi Imai 1937. On an Edible Mongolian Fungus "Pai-mo-ku". Proc. Imp. Acad. Japan, 13 : 280-282.

奥さん。

モウコシメジ Tricholoma mongolicum Imai はいかがでしょうか。

草原の国の方たちが夢中になって探すキノコですよ。
なにしろ馬やジープに乗り込んで、雨雲を追っかけ何十Kmも走りますよ。
もちろん味は申し分なしですよ。
独特の香りと旨みをもった優秀な食菌ですよ奥さん。

http://www.ffpri-kys.affrc.go.jp/situ/TOK/neda/mongolia/mongolia.htm

http://www2.nkansai.ne.jp/users/monmuse/mon-diplomat/live22.htm

↑モンゴル医学では、産後の奥さんの滋養薬として珍重されてきたキノコでもあり、家の中で干していたりしますよ。
薬局にも売られている非常にヘルシーなキノコですよ。

表題の"Pai-mo-ku"は中国での言い方で、「白蘑蝱」と書きますよ。

そんなキノコに学名を与えたのは、今井三子博士でしたよ。
南満州鉄道会社の要請を受けたりして、1937年に本報を発表しておりますよ。

Pilat(1933)*1がモンゴル西部から記載した Nemecomyces mongolicus や、パレスチナから報告した*2 Nemecomyces genezareticusとの異同を論じていますがひとまず別種として扱い、Tricholoma mongolicum Imai の菌名と「モウコシメジ」の和名を与えていますよ。

2種を採録しますよ。

Tricholoma mongolicum Imai, sp. nov.
Nemecomyces mongolicus Pilat

*1:Pilat, A., Nemecomyces g. n. Agaricinearum ochrosporicarum genus novum mongolicum. Ann. Myc., 31 : 54-55

*2:Pilat, A., Nemecomyces g. n. genus novum asiaticum Agaricin. ochrosporicarum. Collectanea Mycologia in honorem annosum univ. prof. B. Nemec sexaginta, 20, 1933.