冬虫夏草の「虫草」表記をめぐって
「すばらしきキノコたち」などでは、これまでたくさんの造語というか、あまり正くないとされるコトバを使用してきましたよ。
たとえば「病菌」という言葉も白井光太郎が使用していたようですが、いまはつかわれないようですよ。
「サビキン」も、正式には「さび菌」と表記するべきだ、と教えてもらったことがありますよ。
今日、「虫草」というキーワードを登録してみましたが、虫草に関するおおまかな説明と、その由来を簡単に示すにとどめましたよ。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%c3%ee%c1%f0
勝手な言葉をつくって使うのもあまりいいことではないと思いますが、言葉の定義について、これが正しいとかマチガイだとか、本来はこうするべきだとか言うのもどうかとおもいますよ。
自己複製子としてイキモノのように振舞う言葉ですから、乱暴な取り扱いはよくないし、だいいち言霊が怒ります。
小林義雄博士が「虫草の弁」と題しあらわした以下のような文章*1に、大いに賛同するところですよ。
ところで近頃,中国で虫草という名が使用されていることを知った。まさに適切な名称である。この仲間にはツチダンゴ,麦角などにつくものもあり,これらも含めることに抵抗を感じる人もあろうが,そこまで神経質になることもあるまい。そこで時折”虫草”名も採用して見度いと思う。すじを通すために役人や一部の学者がある日突然地名や学名を変更して仕舞うことが多いが,私はこんな方法は採らない。虫草という名が今後永い間に定着すれば結構であるし,依然として元のままでも致し方なかろう。