出版者の権利

購読料や会費でなりたっている学術雑誌や会報などの場合を考えてみますよ。
コンテンツは投稿という形で発表されるわけで、著作者(論文を書いた人)に印税が入るわけではありませんよ。
ひろく世の中に流布されることこそが実績にむすびつき、著作者の利益になりますよ。
だから著作者サイドからしてみれば、むしろどんどん複写してくれ!無断引用してくれ!という感じだとおもいますよ。

でも出版者サイドにしてみればこれはたまらないとおもいますよ。
実際、図書館で複写できることが学術雑誌の収益に多大なダメージを与えているという話をよく聞くわけで。
図書館に払った複写料金が総計20万円にとどきそうな私なんかは、もう耳が痛くてたまらないわけで。

だから開きなおって、いわゆる消費者の論理をもちだすことにしますよ。
すなわち、毎月の購読料を払ったりバックナンバーを取り寄せたりするより、必要な部分だけをコピった方が安上がりですよ!

私たちは合法でお特だからやってるわけで。内容がどんなに良かったとしても、現状では残念ながら、競争力のない商品とみなされてしまいますよ。

論文ごとに切り売りするのはどうかと愚考したのですが、図書館より安い値段でとなるとやはり難しいのでしょうか。
電子媒体に移行してコストを下げる、というのも本質的な解決にはなっていない気がしますし。

するともう、現行の法律や制度を変えるしかなくなってくるわけで、実際にそういう動きもあると聞きます。

出版者の権利を認めろ!という意見には私も基本的に賛成ですが、なるべく著作者や消費者の利益を損なわないようにお願いしたいところですよ。