図鑑のブクリョウ

ブクリョウのカラー写真は、『山渓フィールドブックス⑩ きのこ』(ISBN:4635060500)に掲載されていますよ。
ただしこれ、菌核の写真です。子実体じゃありません。

マツ類などの根周辺に菌核を形成,子実体は菌核上または枯木上に形成されるという。

子実体についてはなぜか謎めかして伝聞形でかかれていますよ。

結局、私の手持ちの図鑑を全部調べ散らかすことになりましたが、ブクリョウの子実体のことがまともに書かれていたのは以下の3冊のみでしたよ。

  • ①小林義雄,今関六也,明日山秀文,日本隠花植物圖鑑, pp. 422-423, 1939.
  • ②横山和正,菌類図鑑 下, pp. 818-820, 1978.
  • ③M. Nunez & L. Ryvarden, East Asian Polypores volume 2, pp. 498-499, 2000.

天然の姿の写真がみつからないですよ!(それほどレアなのか)
だから私たちがブクリョウと聞くと、やっぱり菌核の姿しか想像できない。

③には、図や写真がありませんでしたが、肉眼的外形の記述はわたしの見たものとほぼ一致します。
①、②にはモノクロ写真がつかわれていますが、これは実験室的に発生させたものですよ。
菌核上に子実体が発生していますが、私が見たものが真のブクリョウとすれば、あのように朽木上に這上がってくるのが自然の姿ということになります。