Richard P. Korf 1958. Japanese Discomycete Notes Ⅰ-Ⅷ. Sci. Rept. Yokohama Nat. Univ. Sect. Ⅱ., 7:7-35.
多雨で多湿で南北に長い日本。
とうぜん菌類もいっぱい棲んでいて。
多様性に富み、固有種も多い、ということで、かの「チャレンジャー号」の昔から菌学的調査がおこなわれていたそうですよ。
Korf博士が日本を"未開の楽園(unexplored paradise)"とよんだとおり、盤菌屋にとっても日本はたまらないフロンティアなのかもしれません。
本稿はKorf博士が1957-1958年の間、日本に10ヶ月間滞在したときに調べたことをもとに書かれてていますよ。
この時点で盤菌綱のまとまった研究は、テングノメシガイ科とノボリリュウタケ科(広義)に集中していたそうですが、ここではキンカクキン科をはじめとするマイナー系の菌群を紹介していますよ。
また基礎知識やノウハウ的なことにもふれられていて、参考になります。
盤菌の分類体系からはじまって、シノニム(同義語)の表記法、托の構造と呼び方、菌組織の分類、試薬による反応やマウントの仕方などが語られていますよ。
日本産として報告されたものを採録します。
□Lambertella brunneola (Pat.) Le Gal. #misstake
■Ionomidotis frondosa (Kobayashi) Kobayashi & Korf, comb. nov. #Cordierites frondosa (Kobayashi) Korf. クロハナビラタケ
□Chlorociboria Taxonomic sp. Ⅰ
□Chlorociboria aeruginosa (Oeder ex Gray) Seaver #ロクショウグサレキン
□Chlorociboria aeruginascens (Nylander) Kanouse #ロクショウグサレキンモドキ
□Chlorociboria Taxonomic sp. Ⅱ
□Chlorociboria Taxonomic sp. Ⅲ
□Chlorociboria Taxonomic sp. Ⅳ
□Chlorociboria Taxonomic sp. Ⅴ
□Chlorociboria Taxonomic sp. Ⅵ
□Chlorociboria ?rugipes (Peck) Ramamurthi & Korf
□"Ombrophila" ?pusilla Vel.