等方性と異方性

柄の縦方向の切片をつくって、検鏡してみましたよ。

検鏡結果;
ところどころで菌糸の末端がみられましたよ。
末端細胞が、棍棒形のどでかい形状になっていましたよ('pressure cells','fundamental tissue')。
その棍棒状細胞のねもとあたりから、こまかい菌糸が分岐・結合を繰り返しながら拡がりますよ('feeding hyphae','connective tissue')。
全体的にみると、細い菌糸が網の目状のネットワークを構成していて、その中に棍棒形の細胞が埋まっているって感じですよ。
結合菌糸の配列の仕方は結構いいかげんでやや異方的棍棒状細胞は縦方向を向いていて等方的ですよ。

柄の重力感知システムはこの棍棒状細胞にあり、と私は考えましたよ。
棍棒状細胞が上を向くと、まわりのこまかい網の目状構造がそれに引っ張られて容易に形を変えますよ。
するとマクロ的には柄が曲ってみえる、という説明は、果たして説明として成功しているのやら(棍棒状細胞が上を向く理由が説明されてないじゃん!)。

はなしがそれましたよ。
「柄の組織は、異方的な構造を含んでいる」というのが重要だったんですよ。
これでさっきのはなしに繋がるんですよ。
網の目状の組織は、張力に対しても圧力に対しても曲げに対しても弾性的に抵抗することができますよ。

いままでは縦に裂けるからといって、等方的の繊維のカタマリだと勘違いしていたわけですが、このようなミクロの視点から、柄のはたらきを見直す必要があると感じましたよ。