牧野富太郎の「カナメゾツネ」

以前拙サイトにて、アミガサタケの一方言「カナメゾツネ」について、以下にリンクした記事のような発言をしましたよ。
ようするに、語源がわからんと。

http://www3.sppd.ne.jp/kin/salon.cgi?type=display&num=4082114652

その後もしつこく調べていたら、牧野富太郎『植物一日一題』に、そのものズバリ「カナメゾツネ」と題する一文をみつけましたよ!
掲示板の方に報告しようと思ったのですが、興味ある方も少ない感じなので、本blogの方に書いておきます。

ヨタレソツネはナラムウヰノと続くイロハ四十七字中の字句であるが、このカナメゾツネはちっとも意味がわからん寝言みたいな変な名だ。これぞ明治の初年に東京は山手の四ツ谷辺で土地の人に呼ばれてゐた呼称で、それはアミガサタケの俗称である。

まねき屋氏がつけたレスと類似の発想なのがおもしろいですよ。
四ツ谷辺というのはメモに値するかもしれません。

アミガサタケは編笠蕈の意味で、この名なら造作もなく意味がわかるが、カナメゾツネときたら唐人の寝言で何のことかサッパリ分からぬ。それでこの書へかうして出しておいたなら、世間は広いし識者も多いことだから或ひは解決が附かないもんでもなからうと、一縷の望みを繋いでかくは者し侍べんぬ。

幼少より本草書に親しみ反アカデミズムを貫いたといわれる牧野博士は、とにかく語源にこだわった。
『牧野植物圖鑑』の各論記述をみると、まず語源が最初に書かれていますよ。

誰をも惑わすカナメゾツネ。
牧野博士もわからなかったと知って、がぜんやる気が出てきましたよ。